マウスピース矯正装置「インビザライン」がスタートするまで
米国・アラインテクノロジー社で製造されるマウスピース矯正装置「インビザライン」による矯正治療は従来型のブラケットとワイヤーを使用する矯正とはまったく治療方法が異なります。
ワイヤーで歯を動かしていた従来型の矯正とは違い、少しづつ変化させたマウスピース(アライナー)を交換することで歯を移動させます。
また、マウスピースを作製するために「クリンチェック」というアラインテクノロジー社独自で開発した3D治療シミュレーションソフトを使用し、最初の型どりをもとにデジタル化された歯列を再現し、それをもとにすべてのマウスピースが製造されます。
そこで、福岡天神矯正歯科でマウスピース矯正治療をされる患者様の「インビザライン」がどのような工程を経て製造され、海を渡りみなさまの元に届くのか解説したいと思います。
STEP 1
問診票をご記入後、レントゲン撮影、顔・口腔内写真撮影などのインビザライン矯正治療に必要な検査を行います。
矯正専門医の院長が直接歯並びを拝見させていただき、インビザラインによるマウスピース矯正治療の流れ、治療期間や費用などの目安をご説明いたします。不安や疑問に思われることは何でもご質問ください。
当院では約60分のご相談時間を確保し、時間をかけて患者様の疑問に丁寧にお答えします。
初診相談終了後、約1週間以降の日時で次回のコンサルテーションのご予約を取ります。(後日、お電話での日時の変更やキャンセルも可能です。)
※未成年の方は保護者の方と一緒にご来院ください。
STEP 2
初診相談検査から約1週間後、診断結果や検査結果をお伝えします。
レントゲンによるセファロ分析をもとに治療計画や治療期間について説明を行います。
分析結果や治療の流れなどインビザライン治療に関する診断結果報告ファイルをお渡しします。
STEP 3
歯列、咬み合わせの型どり・治療計画フォームの作成
東京院:光学3Dスキャナーを用いて精密かつ快適に型どりを行います。
福岡院:インビザライン用の精密な印象材を用いて正確に歯型をとります。
型取り後、診査診断の結果と治療計画をアライン社に送るため、患者様個別の治療計画フォームを作製します。それぞれの患者様にあった治療計画フォームを作成することでより実現性の高い治療プログラムができます。
その後米国に歯型を送付し、3Dのデジタル歯列が出来上がります。 そして現在の患者様の歯並びからどのように歯を動かしていけば理想的なものになるか、矯正医が繰り返し修正しながら治療シミュレーションを作製します。
STEP 4
治療シミュレーション(クリンチェック)の作製
プログラマーは矯正医から送られてきた治療計画フォームをもとに理想的なアーチ、最終的な咬み合わせ、歯の動きをプログラムします。プログラマーの作成した治療シミュレーションを実際に治療可能なものにするために矯正医がインターネットを通じて細かな指示を出します。
この治療シミュレーション(クリンチェック)による歯の動きのチェックを繰り返し、予測実現性の低い動きがあれば指示を出し修正します。
歯の動かし方、アタッチメントのデザイン、IPR、など、矯正医のインビザライン経験が治療結果に大きく左右します。その為、どこの歯科医院でインビザラインの治療を受けても同じクリンチェックが出来上がるというわけではありません。
当院では東京・福岡両院のドクター、スタッフがインターネットを通じ、毎日シミュレーションの作製会議を行うことで、一緒に治療シミュレーションを作り上げています。
最終的に予測実現性が高い治療シミュレーションができあがるとアライナーの作製に入ります。
STEP 5
アライナーの作製および日本への発送
矯正専門医の承認を受けるとインビザラインの設計・製造・販売を行う米国アライン・テクノロジー社にインビザラインのマウスピースを発注します。
矯正専門医が作成した治療計画をもとに、デジタル技術を駆使した最新工場の製造ラインによってオートマティックに患者様ひとり一人にあわせたカスタムメイド型のインビザラインが作製されます。
患者様一人につき1週間〜10日ごとに交換するマウスピース(アライナー)すべてが一度に作製されパッケージされます。
パッケージされたアライナーは梱包され、海を渡って日本に送られてきます。 クリンチェックがスムーズに行われれば約1カ月程で患者様のもとへ届きます。
STEP 6
お口の中に装着 治療スタート
出来上がった3Dシミュレーション画像を一緒にご覧いただき、治療が始まる前に仕上がりをクリンチェック・シミュレーションで確認いただきます。
そして治療期間や治療計画のご説明をいたします。
※インビザライン作製用のスキャニング・型取りを行ってからインビザラインがクリニックに届くまで、およそ1ヶ月~1ヶ月半かかります。(治療計画の作成数によって個人差がございます。)
治療開始時に治療終了までのマウスピースが一度に届きます。
そして、無事に装着されたらここからが治療の始まりとなります。各治療段階でアタッチメントの装着などを行います。
福岡天神矯正歯科では1ヶ月~3ヶ月ごとにモニタリングを行い、シミュレーションと同じように歯が動いているかチェックをします。(初期段階では月に1回、その後は2~3ヵ月に1回のペースで通院していただきます。)
そして矯正専門医の指示により、約10日ごとに、次のマウスピースに替えて治療を進めていきます。しかし、予想したとおりの動きが認められない場合は補助矯正をはじめとする様々な装置が必要になります。
このように当院におけるインビザライン治療はいくつもの過程を経てスタートします。
単純にマウスピース製作会社が自動で作製したものをそのまま使用すればいいというものではありません。
マウスピース矯正は、どこの歯科医院でも簡単に歯並びを治せるように感じやすい治療ですが、しっかりとした治療方針の作成とモニタリング、予想したとおりの動きが認められない場合のリカバリーや軌道修正が必要な治療でもあるのです。