歯が動くメカニズム
みなさん、こんにちは
本日は「歯が動くメカニズム」についてお話したいと思います
患者様と矯正治療のお話をしていると、
「歯って本当にこんなに動くんですか!?」というお声をよく頂きます
もちろん、「はい、動きますよ」と仕組みを説明させて頂いておりますが、ここでは少し詳しくお話していこうと思います!
歯とその周りの構造
私たちの歯は、歯冠といわれる頭の部分と歯根といわれる根っこの部分からなり、歯根は歯槽骨という顎の骨の中に埋まっています。また、歯とその周囲の歯槽骨との間には、繊維に富んだ歯根膜という弾力がある薄い膜があります。歯根膜は歯にかかる衝撃を和らげるクッションのような役割を持っており、矯正治療ではこの歯根膜が重要な役割を担っています。
また、歯根膜には神経や血管が通っており、歯根に栄養を提供したり、物を噛んだときの感触を脳へ伝えたりする働きがあります。
歯に力を加える
矯正装置を使って右方向へ歯に適度な力を加えると、右側の歯根膜は圧迫され、左側の歯根膜は引っ張られます。
骨の吸収と骨の添加
圧迫されたり引っ張られたりした歯根膜の繊維はある一定の幅を保とうとする性質があります。
そのため、右側の縮んだ歯根膜には「骨を溶かす細胞(破骨細胞)」が現れ、骨を吸収してくれます。
一方、左側の伸びた歯根膜には「骨を作る細胞(骨芽細胞)」が現れ、骨を作ってくれます。
歯の移動が完了
圧迫側(右側)と牽引側(左側)で骨の吸収と添加が起こり、伸びたり縮んだりした歯根膜は元の幅に戻り、歯はゆっくりと骨の中を動いていきます。
以上のような骨の吸収と添加を繰り返すことで、矯正治療によって歯はゆっくりと動いていきます
これは歯が骨の中を通って自然に生えてくる際に起こっている現象と同じメカニズムです
その現象を利用して、矯正治療では、加える力の大きさや方向を十分に考慮し、歯を無理なく目的の場所へと動かすのです
みなさんの「本当に歯って動くの!?」という疑問。このお話で少しは解決されたでしょうか?
まだまだ矯正治療の疑問、たくさんあるかとは思いますが、その際にはぜひ、お気軽にお声掛けください!