過蓋咬合(かがいこうごう)とは?



歯を閉じたときに前歯が深く噛み合い、上の歯で下の歯が見えないほど隠れてしまう状態を指します。
またディープバイトとも呼ばれ、不正咬合の一つです。

下記の写真のように一見歯並びに問題がなく見えますが、顎や歯への負担から矯正治療を必要とする歯並びとなります。

💡過蓋咬合(ディープバイト)と関係してくることとは・・・

☑️下の歯が見えない

☑️歯ぎしりする

☑️顎が痛くなる

☑️奥歯のつめものがよくはずれるor欠ける

☑️エラが張っている

☑️骨隆起がある

過蓋咬合によって生じるリスク


リスク① 歯へのダメージが大きい

過度な咬合力が繰り返し加わると、歯が耐えきれずに欠けてしまったり、部分的に割れてしまったりする可能性があります。「歯冠(しかん)」と呼ばれる歯ぐきから上の部位が損傷した場合は、修復可能なケースがほとんどですが、歯の根っこが割れてしまう歯根破折(しこんはせつ)が起こってしまうと、最悪抜歯になってしまう可能性もあります。

他にも、強い咬合力により、詰め物や被せ物などが破損しやすいといったリスクもあります。
特に大臼歯部(奥歯)の被せ物や詰め物がよく脱離したり、割れたりする方は過蓋咬合の可能性が高いです。

リスク② 知覚過敏や歯肉退縮を引き起こしやすい

咬合力が強いと、磨耗によって歯の表面が削れることから、エナメル質の下の組織である象牙質が露出し、知覚過敏が生じやすいです

また、咬合力が強いことから歯根へ負担がかかり、歯茎が下がる歯肉退縮を引き起こしやすくなります。
咬合力からくる歯肉退縮は咬みあわせから変える必要がある為、矯正が必要になります。

リスク③ 歯ぎしり

過蓋咬合は、日常や就寝時の歯ぎしりも引き起こしやすくなります。
また重度になると噛んだときに下の前歯が上の歯茎に接触し、傷ができてしまうことがあります
日々の歯ぎしりにより、歯の先端が歯茎に繰り返し接触することで治癒が遅れたり、傷が悪化したり潰瘍になってしまうケースも少なくありません。

リスク④ 顎関節への悪影響

過蓋咬合は顎関節症(口が開けにくかったり、口を開ける際に顎がカクッとなったりする症状)になりやすい傾向があります。下顎は本来であれば、上下左右の全方向へ自由に動かすことができます。
ところが過蓋咬合の場合、下の前歯に上の前歯が深く被さっている為、顎の動きが制限されてしまいがちです。その結果、顎関節に負担がかかりやすいと考えられています。

リスク⑤ 不正咬合の悪化

過蓋咬合のように下の前歯が上の前歯に強く接触していると、上の前歯が下から突き上げられることで歯が前方に傾き、出っ歯になってしまう可能性があります

また、長年にわたりその状態が続いていると、咬み合う歯の面が削れて次第に奥歯の噛み合わせが深くなり、過蓋咬合の症状が一層ひどくなります。そうなると、被せ物をいれるにしても形成の段階で自身の歯を削る量が多くなり、予後不良にもつながりかねません。予後不良になると、抜歯になり早期で入れ歯になる確率が高くなります。

リスク⑥ 下顎の成長を阻害

特にお子さまの場合、大きなリスクとして下顎の成長を阻害してしまうことがあげられます。

性別の差や個人差はありますが、約10歳〜16歳は特に顎の成長が活発な時期です。この時期に過蓋咬合があると、本来なら前方に成長するはずの下顎が、深く覆い被さる上の前歯に邪魔され、成長が阻害されてしまう可能性があります

下顎の成長が阻害されると、顎が後方に下がっている「下顎後退」や、上顎が前に出ている「上顎前突」など、骨格性の不正咬合を引き起こしやすくなってしまいます。

リスク⑦ エラの張りと筋肉の疲労感

噛み合わせが深い過蓋咬合は、一般的に噛む力が強いです。
これにより咬筋(咬む筋肉)が発達し、エラが張ってしまうことがあります

全てのエラ張りが過蓋咬合が原因ではありませんが、過蓋咬合は見た目に影響を及ぼすエラ張りの症状がある方も多くいるのが特徴です。 また、咬筋の緊張が強いと、顎の周囲の筋肉に疲労感やこわばりが生じることもあります。

当院での過蓋咬合の治療症例ブログ

叢生を伴う過蓋咬合に対する非抜歯矯正治療

過蓋咬合を伴う上下顎前歯部叢生に対する非抜歯矯正治療

他にもたくさん治療症例ブログたくさん上がっているので、是非一度目を通されてください☺️✨

いかがでしたか?過蓋咬合は矯正治療の症例の中でも、通常よりも治療に時間がかかりやすい歯並びです。(個人差や年齢にもよります)。
見た目だけではなく、健康の面を考えると矯正治療の検討をおすすめ致します。

またご自身が過蓋咬合かどうかわからない!という方は是非一度無料カウンセリングへお越しください☺️