矯正治療中の着色について
こんにちは。本日は矯正治療中の着色についてお話しをさせていただきます。
着色とは?
様々な要因で歯の色が本来の色より黄ばんでくる事を着色と言い、『内部着色』と『外部着色』が主な原因と言われております。
内部着色とは?
年齢を重ねるにつれ歯の表面『エナメル質』が摩耗し薄くなっていく事により内部の『象牙質』の色が透けて見えてきます。この象牙質が黄色っぽい色をしている為、歯が黄ばんで見えてきます。また加齢の他にテトラサイクリン系抗生物質を永久歯へ生えかわる頃に一定期間服用していた場合、副作用として黄色や茶色、グレーに変色し横縞模様として歯の表面に現れ着色を起こしたような歯に見えます。このテトラサイクリン系抗生物質は、マイコプラズマ肺炎や百日咳の特効薬として使用されてきましたが、歯の着色やエナメル質の形成不全、胎児や小児に一過性の骨発育不全等を起こす事が分かり、昭和40年以降使用される事はほとんどなくなりました。(40〜50歳代の方に多く見られます。)
外部着色とは?
歯の表面にコーヒーや紅茶、カレーやパスタ等濃い色をした飲食に含まれる色素が付着することを外部着色と言い、TVCMでよく聞く『ステイン汚れ』がこれにあたります。また飲食だけでなくタバコのヤニも着色汚れの原因のひとつですが、飲食に含まれる色素より粘着力が強い為より歯を黄色く着色させてしまうと言われています。
矯正中の着色・対策
ワイヤー矯正の場合
着色を起こしやすい装置が2つあり、1つ目はモジュールと言われる歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付けそれをワイヤーへ固定する際に使用するゴムです。(下画像①でグリーンとパープルになっている部分がモジュールです。)2つ目は、パワーチェーンと言われる歯と歯の隙間を埋める為に使用する装置です。(下画像②で緑の丸で囲まれている部分が装置になります。)どちらも素材がゴムの為、色素の濃い飲食でだんだんと黄色く着色を起こしていきます。
対策
月に1度調整の為にご来院して頂いた際、ゴム素材の物は新しい物へ交換をしております。このご来院のタイミングをみて色素の濃い飲食をとると、着色が目立つ期間が短く済みます。またモジュールはクリア、歯の色に近く目立ちにくい色、カラー(上画像の2色の他にもたくさんのカラーバリエーションがあります。)の3種類から選ぶ事が出来るので、この時カラーモジュールを選ばれるとより着色が目立ちにくいです。
カラーモジュールについてはこちらをご覧ください。
マウスピース矯正の場合
まず飲料の場合、コーヒーや紅茶など色素の濃い物をマウスピースを装着したまま飲んでしまうと隙間から中に入り込みご自身の歯だけでなくマウスピースも黄色く黄ばませてしまいます。またジュースは砂糖が入っている為、着色だけでなく虫歯の原因にも繋がります。次に食事の場合は、食後すぐに歯磨きをせずそのままマウスピースを装着すると、食べ物に含まれる色素で着色を起こすだけでなく食べカスにより虫歯にもなってしまいます。
対策
マウスピースは1日20時間〜22時間使用し、1週間で新しい物へ交換するので交換日前を狙うと、着色をした期間が短く済みます。どうしても外すことができずそのまま飲む場合は、ストローを使うことで極力マウスピースの中へ入り込むことを避け、色素や糖の侵入を防ぐことができますが、基本はお水以外は外して飲む事をお勧めしています。食後に関してはしっかり歯磨きを行ってから装着してください。その際歯ブラシだけでなく歯と歯の間をお掃除するフロスの使用もお願いしています。
フロスの使用方法についてこちらをご覧ください。
着色は矯正をしている、いないに関わらず色素が歯に触れた瞬間に起こり、すぐに歯磨きをしても簡単に落ちず、完全に予防する事も難しい為、ある程度の着色が起こってしまうことを前提とし、矯正期間中も定期的なクリーニングを行うことをおすすめします。
また当院では、矯正治療が終了し後戻りを防ぐ為のリテーナーへ移行した患者様がご自宅で簡単にできるホームホワイトニングジェルの取り扱いもございます。
初診相談カウンセリングでは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の装置の違いや使用方法等もお話させていただいております。気になる方はお気軽のご相談ください。