【性別】女性

【年齢】30代

【治療方法】2本抜歯矯正治療

【治療期間】22ヶ月

 

【症例解説】


学生時代に奥歯の叢生(ガタガタ)が出てきたことから近くの歯科医院で右上の奥歯と左下の奥歯計2本を抜歯していました。

その後、そのままにしていたため上下の前歯の正中が大きくズレている事が気になり矯正治療を希望されました。それ以外にも下の前歯のガタガタも気になるとの事でした。

 

 

精密検査の結果、以下の問題点が挙げられました。

 

過盖咬合(ディープバイト)

上顎右側第1小臼歯および下顎左側第1小臼歯欠損(右上および右下の小臼歯が無い状態)

上顎正中の右方偏位(上の前歯の正中が右にズレている状態)

下顎正中の左方偏位(下の前歯の正中が左にズレている状態)

上下顎前歯部軽度叢生(ガタガタ)

右側大臼歯関係Ⅱ級(上の奥歯が下の奥歯より前に位置している状態)

 

すでに上顎右側第1小臼歯および下顎左側第1小臼歯が抜歯されており、その影響により上下正中の大きなズレ(歯1.5本分のズレ)が認められます。また、顔写真から顔の正中からも大きく上下の歯の正中のズレが認められます。
また、左右の大臼歯関係(奥歯のかみ合わせ)も異なり、前歯に中等度の叢生と軽度過盖咬合(ディープバイト)が認められます。
そこで、上下前歯の歯の傾斜は標準でですが、上下顎正中の改善および上下顎前歯の叢生量(ガタガタの度合い)と前歯の歯軸傾斜、大臼歯関係の改善を考慮し、上顎左側第1小臼歯および下顎右側第1小臼歯の2本抜歯によって歯の数を合わせ、正中のズレを改善する矯正治療計画を選択しました。
口元を考慮し前歯の位置は現状より外側へ傾斜しないよう注意しながらバイトオープン(ディープバイトの改善)を行いました。右側の大臼歯関係(奥歯のかみ合わせ)は上顎の歯を遠心移動(後方に移動させる)にて改善しました。

 


 

このように歯の数の違いにより前歯の正中のズレが生じているケースにおいて、変則の抜歯を行い歯の数を合わせる事でかみ合わせと見た目を大きく改善することができます。

そして、一般的にインビザライン によるマウスピース矯正では難しいとされている「過盖咬合(ディープバイト)」、「抜歯矯正治療」も精密検査にて問題点をしっかり分析し、適切な治療計画を立てる事で治療が可能です。

 

この患者様は子育てと医師という多忙な職業を両立しながら矯正治療を行いました。また、矯正治療中にご出産もされました。

そのような環境でも特に期間が長期になることなく、矯正治療を進められる点はインビザライン によるマウスピース矯正のメリットだと思われます。

 

 

*当院では矯正治療を行う全ての患者様に対して矯正精密検査を行い治療方針を決定致します。そのため治療計画、治療結果及び治療期間については患者様や歯並びの状況により異なります。矯正治療のリスクや副作用について詳しくはこちら

 

福岡天神矯正歯科